紙と印刷の豆知識

印刷の予備知識をご紹介します。

上質紙

コピー用紙。一般的には「紙」といったらまずこれです。白色度が高く、スミ印刷(黒色)とのコントラストが映えるため、文字印刷、本文向きの紙と言えます。市場でもっとも出回っていて、弊社は常備していますので納期の早い印刷に使われます。

コート紙

チラシ・ポスターに使われる光沢のあるツルツルした触感の紙、写真を印刷した際の見栄えがよく高品質を求められる印刷物に使われます。逆に光沢を抑え、光の反射が少なく落ち着いた質感のマットコート紙もあります。

オンデマンド印刷のメリット

「必要なものを」「必要な時に」「必要な分だけ」印刷し、お届けするサービスを指してよく使われています。

それでは、印刷におけるオンデマンドとはどういうことかというと、まず従来の印刷システムでは、設備も大掛かりで間にいくつもの工程を経るため人手も多く必要な上、製版費などのコストも掛かるため、わざわざ、千とか万という単位のまとまった枚数を印刷して1枚あたりのコストを下げ、出来上がった印刷物はある程度の期間をかけて使い切ることが前提となっていました。ところが実際には、

・1回限りの小規模なイベントや行事、会合などで使うのでそのとき必要な数だけあればよい
・限られた少人数だけに配り(売り)たいので、そもそも千とか万という数量は必要ない
・頻繁に記載されている印刷内容に変更の必要があるので一度にたくさん作れない
・印刷物の保管スペースがない
・発注から納品まである程度時間が必要

というような問題から、印刷物の製作を見送ったり、必要以上の数量をつくったり、逆に割高を覚悟の上で小ロットで印刷することも少なくありませんでした。
そしてこういった問題に対しては今までは、手書きでつくったり、複写機でのコピーや家庭用や事務用プリンターでの出力などで対応はしてきましたが、どうしても出来上がりのクオリティは印刷物とは比べものにはなりませんでした。

ところがここにきて印刷のデジタル化が著しく進み、従来の印刷とほぼ変りない品質を、

・コピー機並のサイズと価格のデジタル印刷機を使用
・専門の印刷技術をもった職人が不要
・PCから直接データのまま印刷できるため製版コストが掛からない
・色や見当の調整などが必要ないため1枚目から無駄なく印刷できる
・断裁機や製本機も内製化

などの理由で、今までの印刷では対応できないような極小ロットでも非常にリーズナブルな価格で、しかも短納期で印刷できるようになりました。
特に5枚(部・冊)とか10枚(部・冊)という単位でも、一般印刷で使われている諸々の用紙に対応して、なおかつほぼ同等の印刷クオリティが再現できることによって、企業や法人向けだけでなく、個人の方々の多用なニーズにもお応えすることが可能になったわけです。
たとえば自費出版や同人誌、ミニコミ誌、サークル情報誌などは、小部数のうえ、予算も限られていることがほとんどです。よって作りすぎや、逆に不足する事態は避けたいところです。そういった状況も「オンデマンド印刷」は最適です。

ほかにも

・結婚式やパーティなど比較的小規模な集まりで記念品として配る冊子や扇子や団扇など
・美術系の大学生の卒業製作
・地域や学校のイベントの記録や報告書
・学校での副教材テキスト
・料理人やパティシエのレシピブック
・学術書や論文集

などいろいろなニーズに対応できます。

もちろん、

・印刷サイズが限られている(A3まで)
・面積の広いベタや網ベタにムラやゴーストが出やすい
・プリンターの構造上、紙の伸縮などの影響を受けやすい

などのデメリット面も若干ありますが、使いようによっていろいろな可能性が広がる印刷サービスです。